こども探偵事務所・指令18「ハンペルマン人形を調査」【レポート】

投稿日:2020.08.21

レポート

 「こども探偵事務所」とは、こどもたちの視点で美術館を巡り、作品や対象物を観察、知性や感性に響かせる機会をつくる、こどものための美術館ツアーです。美術館ボランティア・JUNBIサポーターの太田和美さんの企画で発足されました。
これまで、魚やランプなど杉村惇画伯が描き続けたモチーフを題材に、こども探偵たちはさまざまな角度から調査体験をしてきました。

今年度は一年を通して、洋画家・杉村惇画伯がよく描き、自ら人形も制作した愛着のあるモチーフのひとつ「マリオネット」に着目。美術館の企画展示室を会場に、8月15日(土)、19日(水)の2回にわたって開催。今回はマリオネットに関連し、ひもを引っぱって手足を動かす紙製操り人形の「ハンペルマン人形」を作りました。「ハンペルマン」とはドイツ語で、ひもを引くと手足が上下に動く人形のことを指します。

常設展示室にて、杉村画伯が制作したマリオネットの実物と、それを描いた作品≪マリオネット≫を鑑賞した後、制作に取り掛かりました。

色えんぴつ、クレヨンを使って型紙を自由に彩る工程では、「ピカソみたいに塗る!」と大胆な色づかいでカラフルにしたり、虹やチェック柄を入れるなど服にデザイン性をもたせたり、杉村画伯が制作したマリオネットと同じ色にするなど、実に表情豊かです。

色のバリエーション豊かな色鉛筆の銀色でロバの人形をロボットとして表現したり、「(この人形は)ゾンビで、腕が弱点。」など、ストーリー性のある人形も。

完成した人形を実際に動かしてみると、思いがけない手足の動きに
「足が変な方向に曲がる!」
「腕の関節が固まっちゃった!もう少しゆるくしてみよう。」
「思ったよりちゃんと動いた、うまくできた!」

と、こども探偵たちの笑顔が弾けます。

杉村画伯が魅了されたマリオネットの独特なからだの動きや特徴について、ハンペルマン人形を通してその一端に触れる機会となりました。

※三密対策を行い、十分な環境を整えながら実施しました。