アーティストとJUNBIサポーターによる
歴史的建造物リサーチプログラム
「勝画楼の記憶から」

投稿日:2021.03.13

企画展

2021年3月13日(土)-31日(水)

展示会場:旧亀井邸、壱番館一階北側窓展示

 塩竈は、国府多賀城の外港として、また、藩政期においては仙台城下の外港として栄えながら発展してきました。陸奥国一宮として伊達家から庇護を受けながら、歴代仙台藩主からも崇敬された鹽竈神社は、この千賀ノ浦(現・塩釜港)を眺望できる一森山に位置し、勝画楼(しょうがろう)はその境内の東側にひっそりと佇んでいます。勝画楼は、仙台藩の歴代藩主が鹽竈神社を参拝する際に、着替えや休憩の場所(御休所)として使用された建物であり、鹽竈神社別当寺であった法蓮寺の客殿に、18世紀に書院を建て増しして現在の形になったと考えられています。千賀ノ浦を望む景勝地に建てられていることから、仙台藩5代藩主伊達吉村が、ここからの眺望を「画に勝る」として「勝画楼」の看板を毛筆したことが名前の由来とされます。

 令和2年度の塩竈市杉村惇美術館では、若手アーティスト支援プログラムVoyageの過去出展作家2名ならびにJUNBIサポーター(美術館のボランティアスタッフ)と協働し、勝画楼のリサーチを実施しました。プロジェクトメンバーたちは、勝画楼に関わりのある方々への聞き取り調査を通じ、この場所が経験してきたその長い時間へと想いを馳せ、陶芸、絵画、文章、サウンドレコーディングなどの手法による表現を試みました。それらの成果物もまた、塩竈市内の歴史的建造物等に展示され、展示会場を巡ることによって、新たな視点から塩竈の豊かな文化を体験していただくことができます。是非この機会に、塩竈の歴史的建造物の探訪をお楽しみください。

※現在勝画楼は一般公開されておりません。ご注意ください。

主催:塩竈市杉村惇美術館 協力:志波彦神社・鹽竈神社、塩竈市教育委員会、NPOみなとしほがま、チルドレンズ・アート・ミュージアムしおがま実行委員会

 


 

旧亀井邸展示

氏家昂大 UJIIE Kodai(陶芸家)

1990年、宮城県仙台市生まれ。 宮城県岩沼市在住。宮城県柴田郡にて制作を行う。2013年東北芸術工科大学芸術学部美術科工芸コース卒業。2015年東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻工芸研究領域修了。 2019年銀座一穂サロンにて個展「skin work」を開催。2021年日本橋髙島屋S.C工芸サロンにて個展を開催予定。「炎芸術」期待の新人作家特集、「美術の窓」新人大図鑑など美術誌に作品掲載。「グローバル資本主義における工芸の行方」をテーマに国内、海外での個展を中心に活動。「若手アーティスト支援プログラムVoyage」2018年度出展。

「塩竈産原土勝画楼徳利写し」他

氏家は、勝画楼が民間に払い下げられ、割烹料亭として利用された時代(明治時代後期〜昭和中期頃)に焦点を当て、作品を制作しました。『忘れゆく勝画楼を工芸の側面から捉え直し、現在へとその記憶を結びつけたい』との思いに沿って、今はもう存在しない料亭勝画楼の当時の料理や食器などにまつわる物語から、作家自身の想察によって人々の記憶のなかの勝画楼の食器を塩竈の土を使って蘇らせ、当時の記憶を映し出します。

 


 

旧亀井邸展示

田中望 TANAKA Nozomi(画家)

1989年、宮城県仙台市生まれ。各地での取材をもとに、絵画、イラスト、絵本、エッセイの執筆などを行い、場所との関わりの中で生じる表現を試みている。2012年より地域でのアートプロジェクトに参加し、宮城、山形、秋田、新潟、奈良など国内での滞在取材・制作を行う。2021年2月より、山形県東田川郡庄内町立谷沢地区に移住し、同地区の地域おこし協力隊として活動。2017年3月東北芸術工科大学芸術工学研究科芸術工学専攻博士後期課程修了。「若手アーティスト支援プログラムVoyage」2018年度出展。

 

「きつねの燈火 ー勝画楼にまつわる記憶や想いから物語りを描くー」

田中は取材をもとに、時とともに変化してきた勝画楼の機能を、法蓮寺の「書院」時代、仙台藩主の「御休所」時代、明治天皇東北巡幸の際の「行在所」、明治時代から昭和にかけての「割烹料亭」時代、現在の保存活動、という5つのその特徴的な期間によって区切り、それぞれの時代においての勝画楼の情景を絵に描きました。人を動物に置き換えて場面を描くことを得意とする田中は、今回は狐を選びます。絵画を通じて、各時代の塩竈の物語が画家の想像力によって幻想的に浮かび上がります。

 


 

壱番館一階北側窓展示

JUNBIサポーター

デロスアンジェルース サット(制作)、坂爪奈央子(翻訳)

JUNBIサポーターとは?|塩竈市杉村惇美術館の様々なサポートを行うボランティアの総称。主な活動内容は「展示ガイド」「ワークショップサポート」「主催企画の準備サポート」など。塩竈市杉村惇美術館では、展示ガイドをはじめとしたガイドやワークショップサポートなど、美術館を一緒に作り上げてくださる「JUNBIサポーター」を募集しています。

 

 

「space : reimagined/新たに想像される空間」

塩竈市の外国語指導助手(ALT)であるサットは、勝画楼に縁のある5名から聞き取り調査を行いました。カナダ出身の彼にとって、このリサーチは勝画楼のみならず、江戸時代以後の塩竈の歴史を学ぶ体験となり、そこで収集された情報は自身の手帳へと蓄積されていきました。これらは発表にあたり、塩竈を訪れる外国人に向けた、勝画楼および塩竈を伝えるためのイラストレーションと音声によるガイドとしてデザインし直されるとともに、日本語訳が加わることで、地元の人々にとっても国際的な観点から塩竈の歴史をながめる物語となります。

 


 

<関連イベント>

勝画楼見学会&プロジェクトメンバーによる勝画楼調査報告会

2021年3月20日(土) 13:00-15:30 参加費300円(美術館でのドリンク付き) 要予約、先着20名 集合場所:鹽竈神社東参道入り口

【行程】勝画楼、旧亀井邸、壱番館一階北側窓展示を見学後、塩竈市杉村惇美術館に移動して、メンバーによる活動の報告会にご参加いただけます。新型コロナウィルス感染防止対策として人数制限を行いながら勝画楼と旧亀井邸を交互に見学します。

※本イベントは定員に達したため締め切りました。


 

<アクセス>

①旧亀井邸(宮城県塩竈市宮町5-5) 10:00-15:30 火曜日・水曜日・木曜日休館 入場無料
②壱番館一階北側窓展示(塩竈市本町1-1) *屋外からご覧いただけます。

イベント概要

タイトル
アーティストとJUNBIサポーターによる
歴史的建造物リサーチプログラム「勝画楼の記憶から」
開催
2021年3月13日(土)〜2021年3月31日(水)
場所
①旧亀井邸(宮城県塩竈市宮町 5-5)  10:00-15:30  火曜日・水曜日・木曜日休館  入場無料
②壱番館一階北側窓展示(塩竈市本町 1-1 塩竈市役所壱番館庁舎)