まちと記憶と映画館〜昭和の子どもと地域の学校〜【レポート】

投稿日:2023.06.11

レポート

展覧会では当館が立地する本町をはじめとして鹽竈神社下の宮町などの、塩竈の中心地が映された写真や映像が多く展示されていたこともあり、当時のその地域をよく知る市民のみなさまに多くご来館いただきながら、展示室では過ぎ去った街並みを懐かしむ声が聞こえました。
また昭和30〜40年代の塩竈を知らない人にとっても、その頃の子どもたちが共通して熱狂した遊びや、丸光デパート(仙台)や松島の動物園などの地域の象徴的な場所を思い起こすことにより、改めてよき昭和時代を思い出す機会となったようです。

また関連企画として3つの市民参加型プログラムを実施しました。

 

「サウンドレコーディング 次の世代に聴かせたい音を探そう」


サウンドデザイナー、自然録音家・菅原宏之氏を講師に現在の町の音を未来へと残すべく、各自がレコーダーを持って、七曲坂や勝画楼などを散策をしながら記録しました。参加者からは「音を通して新しい視点を頂きました。身の周りの何気ない音が愛しく思えました。」と感想をいただきました。

 

「ドキュメンタリー映画『Hand-Drawn』上映会&トークイベント」

世界中の手描きアニメの現状を知る機会としながら、アニメプロデューサー・丸山正雄氏とアニメーション監督・片渕須直氏の対談ではアニメの創作現場の貴重な話を伺うことができました。

 

「モノクロ写真に言葉をのせてみよう」


声優・山寺宏一氏とナビゲーターにアサノタケフミ氏を迎えて、1960〜70年代の流行について振り返りながら、写真の中の情報を読み解く作業は、若い世代にとって新鮮な驚きをもたらし、同時代を生きた方々には、当時を思い起こし、懐かしさを楽しむ時間になりました。参加者が昭和時代の塩竈の写真にセリフを創作し、山寺さんのパフォーマンスとアサノさんとの掛け合いに終始会場は笑いに溢れ、世代を超えてまちの記憶を共有することができました。

 

これら関連プログラムを通じて、過去の写真を楽しく読み解きながらも、それらを未来へと繋げていく活動となりました。