かるたワークショップ・かるたの話

投稿日:2015.12.01

ワークショップ


お正月によく遊ばれたかるた。実は、ポルトガルのトランプがルーツとなっていることはご存知でしょうか。
かるたは、16世紀にポルトガルから伝来したラテンスートのトラン「Carta」が由来だとされています。
それを日本向けにアレンジしたものが「天正かるた」として誕生しました。
室町時代には、天正かるたをさらに複雑にした「うんすんかるた」が作られました。
江戸時代には、派生したカードゲームとして「花札」「株札」が登場し、江戸の庶民に愛されていました。
こうしたカードゲームは、現在に至るまで廃れずに日本の文化として残っています。
カードゲーム自体が、日本人と相性が良かったのかもしれません。
杉村顕道・杉村惇兄弟が手掛けた「宮城縣郷土かるた」も、そうした連綿と受け継がれるかるたの歴史の1つです。
昭和24年、戦後まもなく世に出た「宮城縣郷土かるた」は、戦後郷土かるたとも言われる大変珍しい時期のかるたです。
敗戦後の暗い雰囲気の世の中で、せめて子供たちには楽しく遊びながら郷土について学んでもらおう、郷土に誇りを持ってもらおうという意図で誕生したものです
戦後郷土かるたは、群馬県の上毛かるたをはじめ、青森県、山形県、宮城県、福島県など、確認できるものは雪深い地域に集中しています。
推測になりますが、冬など家で過ごすことが多かった地方では、こうしたカードゲームがより娯楽として親しまれていたのかもしれません。
東北の一部地方には「黒札」「馬かるた」という天正かるた由来のカードゲームもあり、東北に住む人間とかるたの相性が良かったとも考えられます。
こうして「かるた」に注目してみると、実は宮城県に住む私たちにとって、かるたはとても身近な存在でした。

今はあまり遊ばれなくなってしまいましたが、今回のワークショップが、一人でも多くの方が「かるた」に触れる機会になればと思います。

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【かるたワークショップ】参加費無料

読み札をつくろう
平成27年12月5日(土) 14時~
講師:俳人・渡辺誠一郎
対象:小学3年生~小学6年生
定員:30名※要事前予約
会場:日本間
WEB予約:http://goo.gl/forms/D0E6ZAx76e

巨大絵札をつくろう
平成27年12月26日(土) ①9時~12時 ②13時~16時
講師:画家・浅野友理子
定員:各20名※要事前予約
会場:大講堂
WEB予約:http://goo.gl/forms/MrrkwAzU5O

■巨大かるた大会
平成28年1月9日(土) 11時~
会場:大講堂

お問い合わせ:塩竈市杉村惇美術館
〒985-0052 宮城県塩竈市本町8番1号
TEL 022-362-2555