【レポート】Voyage氏家昂大・田中望「土のみち 土のさち」

投稿日:2018.08.28

レポート

これからの活躍が期待される若手アーティストの可能性に光をあて、新たなステップを提供することを目的に、展覧会を中心としてトークやワークショップ等多様な表現の機会を設ける本事業。
4回目を数える今回は、陶芸家・氏家昂大さん、画家・田中望さんのお二人をご紹介しました。氏家さんの塩竈を題材にした新作《》をはじめとする作品群、田中望さんが本展のために構成した《》と会期中も更新が続いた「しおがまフィールドノート」を多くの方にご覧いただきました。今後も氏家さんと田中さんの活躍を見守っていただけたら幸いです。

➡企画概要
 


 
クロストーク「場所をめぐる話 −記録と創造の間から−」


芸術人類学者で秋田公立美術大学准教授の石倉敏明氏をお招きし、画家の田中望さんとのトークイベントを開催。東北を中心とした地域に伝わる伝承や歴史など、「人間はどのように場所をつくってきたか」という一貫したテーマのもと制作される作品を、人類学の視点から読み解いていきました。
参加者からは「先生のお話を聞いて新たな視点で田中さんの作品を見ることができ、とても興味深かった」「アートと人類学の関係性は今後もどんどん深まっていくと思います」という声をいただき、地域の歴史や文化、場所の成り立ちに関心を深める機会となりました。
 


 
陶芸ワークショップ「植木鉢をつくろう」



陶芸家・氏家昂大さんを講師に、子どもから大人まで幅広い年代の方が参加。粘土を板状に伸ばして切り分ける。タタラ成形という技法を用いました。土の感触をスでで感じ、植える植物を想定したり、氏家さんの作品に刺激を受けたりと、制作中の表情は真剣そのもの。参加者より「前から自分で植木鉢を作ってみたいと思っていたので参加できてよかった」「楽しくて夢中でつくりました」といった声が寄せられました。一人ひとりが最後までこだわり抜いて完成した植木鉢は、一つひとつが個性豊かな形となって現れました。
 


 
しおがまフィールドノート
田中望さんが塩竈で行ったフィールドワークをまとめたノート。盬竈神社とその周辺地域や浦戸諸島、塩づくり、稲荷神社についてなど、地元の方にお話を伺ったり、町を歩いて気になったとことを調べたりしながら綴られた、制作の基盤となる記録を公開しました。