【歴史的建造物探訪 ZANKÔによる勝画楼のリサーチ&パフォーマンスを実施】

投稿日:2023.11.19

レポート

塩竈にはさまざまな時代の建物が存在する歴史ある町です。陸奥国一宮である鹽竈神社を中核として、明治の旧ゑびや旅館、大正の旧亀井邸、昭和の旧塩竈市公民館(当館)など、塩竈市杉村惇美術館から徒歩圏内である本町から宮町にかけて魅力的な建造物が点在します。

歴史的建造物探訪事業では、塩竈にある歴史的建造物をアーティストたちとの協働によって読み解くことで、それら建造物が役割を果たしていた当時の物語や歴史的背景、町の様子などを、視覚的であったり音楽や食など、体験可能な方法を通しながら、塩竈のルーツについて想像を巡らせるプログラムです。

11月3日、書とトランペットによるパフォーマンスユニット・ZANKÔが塩竈を訪れ、塩竈市文化スポーツ課の阿部光浩さんにご説明をいただきながら勝画楼を見学しました。勝画楼は当館の同プログラムでも過去に一度取り上げたことがあり、若手アーティストたちが各々のリサーチから作品制作と勝画楼をテーマとした展覧会を実施した経緯があります。

今回、ZANKÔのパフォーマンスが「書」という手法を含むことから、勝画楼が料亭だった頃(明治11年〜昭和期)に滞在した客人たちが描いたとされる書と墨画もまたお借りして、ZANKÔのおふたりへとご紹介しました。今後、こうして残された勝画楼の書などを手がかりとして、かつての塩竈の重要な迎賓館であったこの建物についてのみならず、このまちの記憶についてもより理解を深められるようなプログラム展開を考えていきたいと思います。

そして3日の夜には塩竈市杉村惇美術館の大講堂を会場として、「ZANKÔ+1」の書と音楽のパフォーマンスを、地元の食を提供しながら開催いたしました。この大講堂というアーチ型が特徴的なロケーションとともに、即興で生まれるトランペットやピアノの音からインスパイアされて筆跡が生まれ、またその書の動作から今度はミュージシャンたちが新たな音が生み出していく、参加者はアーティストたちのそのような一夜かぎりのコラボレーションがつくりあげる残光を体験しました。

 

ZANKÔ+1について

勝画楼について